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外壁が黒っぽく筋になって汚れていると
家全体が古くくすんだ
雰囲気に見えてしまうものです。
特に石川県（金沢市・白山市・野々市市など）
は湿度が高い地域のため、雨が多く
外壁に雨だれ汚れがつきやすい環境にあります。

雨だれは単なる美観の問題ではなく
外壁の防水機能が低下していることを
示す非常に重要なサインです。
実際、雨だれが見られる部分の外壁を
計測すると、含水率が30〜40％以上という
ケースも多く、内部まで水分が浸透している
危険な状態である場合もあります。

本記事では、

• なぜ雨だれができるのか

• 雨だれが外壁に与える影響

• 含水率（外壁に含まれる水分量）の重要性

• 水分計（含水率計）の仕組みや測定方法

• 雨だれを防ぐための正しいメンテナンス

• 石川県で雨だれが多い理由

を、専門知識がない方でも
理解できるように解説します。

外壁の汚れが気になっている
塗装時期を判断したい方に向けて
ぜひ参考にしてください。

｜雨だれはどのようにして
できるのか？

外壁の雨だれは、いわば
“雨水が運んだ汚れの流れた跡”です。
しかし、実際に雨だれが形成される
メカニズムはもう少し複雑です。

◆ 雨だれの原因となる汚れの正体

雨だれを構成している汚れは
以下のような微粒子が
主な原料となっています。

• 空気中のほこり

• 大気汚染物質（車の排気ガスなど）

• 花粉や黄砂

• 劣化した塗膜の粉（チョーキング）

• カビ・藻などの胞子

• 砂埃や土埃

通常であれば、外壁が健康な状態
（塗膜がしっかりしている状態）であれば
この汚れは表面に固着する前に
雨水と一緒に流れ落ちます。

しかし、外壁が徐々に劣化すると
表面がざらついたり、微細なひび割れ
（ヘアークラック）が発生したりするため
汚れが付着しやすくなります。
そして、その付着した汚れを雨が下へ下へと
引きずることで、筋のような雨だれ跡が形成されます。

◆ なぜ窓の下に雨だれが集中するのか

窓の下や換気フードの下に特に
雨だれが出やすい理由は
以下の二つが大きく関係します。

1. 雨水が集中的に落ちる
   構造になっているから

2. ホコリや汚れが
   溜まりやすい場所だから

窓の枠やフードはわずかに
“出っ張り”があるため、水が必ず
そこを経由して落ちていきます。
落ちる際に汚れを巻き込みながら
外壁を伝うため、雨だれが長く濃くなるのです。

｜雨だれが外壁に与える
本当の悪影響とは？

雨だれができたからといって
すぐに雨漏りするわけではありません。
しかし、雨だれは
“外壁に何らかの劣化が起きているサイン”
であり、放置すれば徐々に
深刻な問題へ発展します。

以下では、雨だれが外壁に与える
影響を、発生の順番に沿って
詳しく解説します。

1 まず起こるのは
「塗膜の防水力低下」

雨だれが形成される時点で
外壁の塗膜の防水機能は
明らかに低下しています。

本来、塗膜の役割は

• 外壁材に水分を吸わせない

• 汚れを付きにくくする

• 紫外線を遮り、外壁材を保護する

という“家の肌”としての役割です。

これが劣化すると汚れが
固着しやすくなり、雨水と一緒に
流れることなく定着してしまいます。

2 次に進行するのは
「水分の滞留」

雨だれが出る場所は、表面がわずかに
乾きにくくなるため、湿気が
留まりやすい状態になります。
湿度が高くなると、外壁表面にカビや
藻が繁殖しやすくなり、黒い雨だれや
緑色の汚れとして目に見えるようになります。

石川県の環境では、特に北面に
この現象が起こります。

3 さらに内部へ進むと起こる
「含水率の上昇」

外壁の表面だけならまだしも
劣化が進むと水分が外壁材の
内部まで入り込みます。
これにより、外壁の含水率が上昇します。

含水率が上がると…

• 外壁材が膨張 → ひび割れが増える

• 塗膜が密着しなくなる → 塗装しても剥がれやすい

• カビの繁殖が急増

• サイディングが内部から反り返る

といった症状が起こり、家の寿命が
どんどん短くなってしまいます。

｜外壁の“含水率”とは何か？
なぜ危険なのか？

外壁の点検において最も重要な
項目のひとつが、外壁の含水率（がんすいりつ）です。
これは、外壁材の中にどれほど
水分が含まれているかを示す数値で
表面だけでなく内部の健康状態まで判断できます。

一般的な外壁の含水率の目安は以下の通りです。

• 〜10％
  健康な状態

• 10〜20％
  注意すべき状態（軽度の劣化）

• 20〜30％
  劣化が進行している状態

• 30％以上
  要対策。塗装できないケースもある

• 40％以上
  危険レベル。内部腐食の可能性が高い

石川県では、雨や雪、湿度の影響で
20〜30％は珍しくありません。
しかし、雨だれが多い箇所では
30％〜40％以上の数値が出ることが多い のです。

外壁の見た目が少し汚れているだけでも
内部ではこのように深刻な状態に
なっていることがあります。

｜外壁用の“含水率計”の
測定方法を解説

ここでは、一般の方があまり知らない
「含水率計」について、専門店目線で
分かりやすく説明します。

 含水率計（水分計）とは？

含水率計は、外壁材や木材の内部に
含まれている水分量を測るための専用機器です。
外壁の場合、外側からは見えない
内部の湿り具合を判断できるため
塗装や補修の前には欠かせない検査項目です。

含水率計のタイプ

① 針を刺して測る「ピン式」

メリット：

• 内部まで詳細に測れる

• 数値が安定している
  デメリット：

• 外壁に小さな穴が空くため、外壁には不向き

② 表面に当てて測る「非破壊式」

メリット：

• 外壁を傷つけずに測定できる

• 広範囲を短時間で測れる

• サイディング・モルタルどちらにも対応
  デメリット：

• 針式より深い層の水分までは正確に測れないこともある

外壁の現場では、ほぼ 非破壊式の
含水率計 を使用します。

 外壁点検での測定手順

1. 雨だれ部分・北面・窓下など
   “水が溜まりやすい場所”を優先して測定

2. 外壁に機器を密着させ
   内部の水分を電磁波で測定

3. データを読み取り、正常数値と比較

4. 数値が高い場合は、
   　- 外壁内部の腐食
   　- コーキングの破断
   　- 下地の湿気
   などの原因を特定するため
   周辺を追加調査します。

含水率が高かった実例
41％のケース

雨だれが強く出ていた外壁で
含水率を測定したところ
41％という数値を記録しました。

この場合、

• 塗装しても剥がれる

• 下地補修が必要

• 場合によっては張り替えが必要

など、通常の塗装では対応できません。

つまり雨だれが放置されると
見た目以上に外壁内部のダメージが
深刻化する可能性があるのです。

｜雨だれを改善するための
最も効果的な対策

ここからは、雨だれに悩んでいる方が
「実際にどう対策すればいいのか」を
詳しく説明します。

高圧洗浄だけでは落ちない。
バイオ洗浄の併用が必須

雨だれは、表面の汚れだけでなく、

• カビ

• 藻

• 黒カビの菌糸

• 粉状になった古い塗膜

などが複合して固まっているため
高圧洗浄だけでは落ちにくいことが多いです。

そこで使用されるのが バイオ洗浄剤 です。

◆ バイオ洗浄の特徴

• カビ・藻の根（菌糸）まで分解

• 再発を抑える

• 外壁の素材を傷めにくい

石川県のように湿気が多い地域では
バイオ洗浄をしないと短期間で
雨だれが再発することがあります。

外壁塗装の長持ちを実現する！高圧洗浄とバイオ洗浄の重要性

 汚れに強い塗料で
保護して再発防止

雨だれの原因となる“汚れの付着”を防ぐには、

• 無機塗料

• フッ素塗料

• ラジカル制御型塗料

など、耐候性・防汚性が高い

塗料を選ぶことが大切です。

特に無機塗料は

• 汚れが付着しにくい

• 雨水で汚れが流れ落ちる

• 石川県のような湿気の多い地域に強い

というメリットがあります。

美観と長寿命を両立！外壁塗料選びのポイントと塗料ごとの特徴

｜石川県の家に雨だれが多い
理由を地域性から解説

石川県の外壁が全国的に見ても
雨だれが多い理由は、以下の環境条件が
重なっているためです。

• 年間降雨量が多い

• 湿度が高い

• 冬に湿った重い雪が降る

• 北陸特有の強風で汚れが付着しやすい

• 黄砂の飛来が多い

• 日本海側の潮風の影響で外壁が劣化しやすい

これらの条件が揃うことで、外壁が濡れる
回数・湿度に晒される時間・汚れが付着する
量が増え、雨だれが発生しやすくなります。

特に金沢市・白山市・野々市市などは
地域特性として外壁のメンテナンス頻度を
早めに考える必要があります。

まとめ｜雨だれと含水率は
外壁からの“重要なSOS”です

雨だれは、「見た目の汚れ」ではなく、
“外壁の防水機能が低下しているサイン” です。

さらに、雨だれがある場所は含水率が高くなりやすく、放置すると

• 外壁内部の腐食

• 塗膜の剥がれ

• カビの大量発生

• 張り替えが必要なほどの劣化

が進行することがあります。

外壁の健康状態を知るには、
含水率計による測定が非常に重要 です。

もし外壁の雨だれが気になってきたら
まずは点検だけでも受けてみてください。
早めの対処が、家の寿命を
大きく延ばすことにつながります。

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